京都芸術大学 アートプロデュース学科

神田 梨生さん
2019年度卒
京都信用金庫 ゆたかなコミュニケーション室

あなたにとってアートプロデュースとは何ですか?

2022.3.31 Thu.

文化芸術を世界の誰かに
知ってもらうために試行錯誤をする、
その方法を考えること

質問1. どんな仕事をしていますか。具体的に教えてください。

京都信用金庫のゆたかなコミュニケーション室で、金庫の広報と職員のコミュニケーション促進の仕事をしています。
イベントの開催や新しい取り組みを導入した際には、その様子を伝えるために取材をして、記事やチラシ、動画を作成します。出来上がったものを、公式HPやSNSを使って発信します。その他、広報媒体やSNSのデータも一部管理しています。

質問2. アートプロデュースを学ぼうと思ったきっかけは?

大学に進学する前は、地元で小学生向けに行っていたワークショップを通して、人の関係性が生まれることに面白さを感じていました。
何かをきっかけに人と人が結びつく事象に興味がありました。しかし、高校生の時点では、どんな大学に行き、何を学びたいかまでは考えていませんでした。
偶然訪れた京都芸術大学のオープンキャンパスで、アートプロデュース学科の当時の学科長から体験授業型選抜を受けてみないかと誘われ、その場で入試の申し込みをしました。
動機はとても薄く、オープンキャンパスで学科の先生方からワークショップの経験について聞いて貰えたことや、学生スタッフからワークショップの知識を褒められたことが純粋に嬉しかったのだと思います。
合格が決まり、入学申請までに「なぜアートプロデュース学科に行くのか」を考えました。私は高校を卒業するまでに、ワークショップを通して人と人がつながるきっかけを作ってきました。
その経験を持って、大学ではアート作品という具体的なモノを通して、ヒトとモノ、ヒトとコトをつなげていきたいと、今思えば9割アートプロデュース学科の概要の受売りですが、およそこのようなことを考えていました。

質問3. 在学中思い出に残っているエピソードを教えてください。

対話型鑑賞のナビゲーターとして、作品の鑑賞力やファシリテーション力などを身につける授業を、3年間受講したことです。本来は1回生で受講を終えるものですが、
コミュニケーション力も、語彙力も、誰かと一緒に作品を見る力も、何もかも不足していたため、何度も参加し続けました。
最後まで、ナビゲーターとして不可欠な要素は習得し切れませんでしたが、参加し続けたことで人との関わり方がほんの少しだけ真面になりました。

質問4. あなたにとってアートプロデュースとは何ですか?

文化芸術を世界の誰かに知ってもらうために試行錯誤をする、その方法を考えることです。
私は、金庫のことを知ってもらうために色んな媒体を使って情報を発信します。その時に、どんな記事と写真を何の媒体を使って、誰に向けてどのタイミングで発信するのか、そんなことを考えます。
日々、適切な情報が届くように試行錯誤します。この試行錯誤をするために、近年の流行や国の情勢など、仕事の完遂とは直接関係しないことを知って、想像力を広げるという方法を使います。
アートプロデュースの場合は、アート作品が持つ可能性を様々な経験を持つ人と共に拡張していくことだと思います。

質問5. それがどのように今の仕事に活かされていますか?

私は、情報を人に伝える仕事をしているので、常に情報の受け手を想像することが必要になります。自らの想像力を拡張できるのは、今している仕事の先を考えるときに凄く活きています。
また、ときには想像することが面倒になり投げ出したいと思います。その原因のほとんどが、自らの観察と理解の不足によるものです。
アートプロデュースの思考のプロセスを知っているからこそ、自らに不足しているものが何か気づき考え続けることができます。

  • Interviewer京都芸術大学 アートプロデュース学科